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特集 実践科学としての看護学のための理論
第I部 一般理論
カンファレンス"科学の本質と看護"
科学と厚生保護部門
Science and the Helping Professions
クラレンス=シュラーグ
2,3
,
内藤 理恵子
1
,
吉田 映子
1
Clarence Schrag
2,3
1東京女子医大看護短期大学
2ワシントン大学
3南カリフォルニア大学
pp.209-222
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200185
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科学は現在最もはなばなしく,しかも急速に成長している分野の一つである。もちろん実際の応用面,厚生保護部門などにあっては,その研究システムの利用は限られているので,科学の全研究成果からみれば,ごくわずかなものが取り入れられているにすぎない。しかしながら,より進んでいる他の科学領域におけると同様,科学的研究への要請は増大しつつあり,公的な仕事に科学的方法・知識を応用するという問題が,しだいに顕著なものとなってきている。
1960年の国勢調査によると,335,000人の科学者がおり,その約半数が産業部門に,1/3が教育部門に従事しており,連邦・州・地方の行政に携わるものは,1/6に満たなかった。科学の研究・開発のための国家予算は,1940年には3億4500万ドルだったのが,1963年には,164億ドルに膨張した。そのほぼ75%が連邦政府予算である注1)。医学研究のための歳出はほぼ15億ドルで,その大部分を合衆国社会保健省が管理している。そうして,科学研究のための支出は着実に上昇しており,特に社会・生物諸科学については,さらに急激な上昇が予想される。国際間の平和が確保されれば,毎年300〜350億にのぼる軍事予算の幾分かは,行動諸科学の進歩,厚生保護部門の進歩のために用いられることになるだろう。
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