解説 情報化時代に備えて・1
医療と情報科学
新井 宏朋
1,2
1千葉大学
2養護教諭養成所・公衆衛生学
pp.121-126
発行日 1970年4月15日
Published Date 1970/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200174
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はじめに
"情報産業","情報化社会"のように,情報ということばが社会のあらゆる階層で日常語として使われるようになってきたことは,電子計算機の普及が大きな原動力となっている。
医者は人体の検査所見だけ,経営コンサルタントは会社の収支決算表だけ,というように人間は自分の専門とする領域の事柄以外はなかなか扱えないが,電子計算機という怪物は,相手が数字になっていさえすれば(最近では数字だけではなく,日本語でさえも),理学,工学,医学,経済学,社会学など,どんな領域の問題でもまたたくうちに処理してしまう。電子計算機にとっては,一つ一つの数字に,"180mmHg,これは人間の血圧値","3,340円,これは会社の株の値段"というように別々のレッテルをはって,えりごのみする必要はないのである。
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