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海外論文
臨床における研究課題の認識—2種の酸素療法中の患者における口腔温および直腸温の比較研究
Recognition of Clinical Problems Requiring Investigation: A Comparative Study of Oral and Rectal Temperatures in Patients Receiving Two Forms of Oxygen Therapy
Kay Corman Kintzel
,
武山 満智子
1
1前:東大分院健康相談部
pp.262-265
発行日 1968年7月20日
Published Date 1968/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200070
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体温は古くから諸疾患の診断および予後を決めるうえでの,信頼性のある基準とされてきた。したがって,体温に影響する諸変数については,かなり広く研究が行なわれてきたが,病院では,体温を測定し記録するのは看護職員の役割とされているため,この種の研究の主たる立役者は,なんといってもナースたちであった。体温の測定は看護のなかではごく一般的な仕事であって,その測定方法は種々の看護教科書で取り上げられているが,実際には,体温測定はあまりにも日常的な事がらになっているため,しばしば専門的教育を受けていない職員たちも行なっており,方法論的正確さを実証づける実験的根拠が欠けている。VerhonickとWerley1)がいみじくも指摘したように,「ナースというものは,いったんある看護処置のやり方を修得してしまうと,その理論的根拠が正当であろうとなかろうと,それに固執する傾向がある」のである。
筆者は,高湿酸素テントにはいっている患者や鼻腔カテーテルで酸素供給を受けている患者の場合,直腸内体温だけしか測られていないのが普通であることに気がついた。直腸法は患者にとって不快感が大きく,また,ナースにとってもやりやすくないにもかかわらず,酸素テントとかカテーテルを除いては,なんら口腔内測定を妨げる事情がない場合にでも,直腸温の測定が行なわれている。
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