総説
看護研究の今日的課題・3
小林 富美栄
1
1東京女子医大付属高等看護学校
pp.208-209
発行日 1968年7月20日
Published Date 1968/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200064
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対象と機能の認知
看護学の確立をめざしたいくつかの試論をとおして,それらの論点を私は第1段階として次のように考えてみたい。その一つは看護の対象をどう認知するかであり,他は社会体系における機能としての看護をどう認知するかである。看護の対象のとらえ方は,もちろん人間としてどのように把握するかである。看護を機能的にどう認知するかは,自我の役割の取得によって役割期待をどう実現するかということになる。
人間が"健康"という側面からみていろいろな個体的状況をもっているとすれば,その発現の状態によって"健康であるもの","疾病をもっもの"などに類別し,特定の状況ごとに分節的に把握する立場,個体の状況を健康と疾病の2対応時点と,その移行期を含めて一つの現状的連続形体としてとらえる立場,また,個体および人間的結合関係として把握すること,人間行動の動機の分析による把握がみられるが,生物・生理・心理・社会的統一体としてその存在をみることを主張することはとうぜんである。
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