増刊号特集 1.博士論文を書くということ─あのときの問いといまの問い
出帆―看護に必要な知識を探究し続けるために
高井 ゆかり
1
1東京大学大学院医学系研究科
pp.315-319
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100924
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なぜ博士課程に進もうと考えたのか
博士論文のテーマの背景やもとになった経験
前期,後期を含めた博士課程に進みたいと考えるようになった動機は,いま考えると,「知りたい」と思うことができたからといえるかもしれない。「見えない症状のひとつである身体の痛みに対して,看護師として何をしたらよいか」を知りたいと思ったこと,そのためには研究者として研究に取り組んでいくことが必要だと考えたからだろう。その根底には,オーストラリアで看護師として働いていたときのエピソードがある。
日本で看護師としての経験を積んだ後,オーストラリアに渡り看護師資格を取り,近くのナーシングホームで働いていた。言葉の壁はあるが,看護実践はいままでもやっていたのでできると自負していた。そんな中,勤務中に教育担当師長に声を掛けられた。私が働きやすいようにとさまざまに気を遣いサポートしてくれる人だった。
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