特集 被ばく医療における看護の人材育成と研究─弘前大学大学院被ばく医療人材育成プロジェクト
被ばく医療における人材育成のこれから
西沢 義子
1
1弘前大学大学院保健学研究科
キーワード:
被ばく医療
,
放射線看護
,
専門看護師
,
国際化
Keyword:
被ばく医療
,
放射線看護
,
専門看護師
,
国際化
pp.77-82
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100746
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
福島第一原子力発電所の事故からみえてきたもの
2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波の影響から生じた福島第一原子力発電所の事故では,大量の放射性物質が環境中に放出されたため,原子力発電所周辺の地域住民は避難を余儀なくされ,放射線に対する不安が増大していった。また,情報が迅速・正確に伝達されなかったため,多くの避難住民は自分たちの健康や今後の生活に対する不安を抱えていた。もちろん,避難住民は0歳の乳児から高齢者まで年齢層は幅広く,これまでの生活が一変してしまったことは周知のことである。
そのため,避難住民に対して迅速に対応し,彼らの不安を少しでも軽減する必要があった。しかし,原子力発電所の事故であったことから,放射線に関する正確な知識と技術をもって避難住民への支援を行なえる人材や,また,被ばくした患者が医療機関で治療を受けるに際して適切に対応できる人材が少ないことも明らかとなった。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.