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はじめに
サンフランシスコは,米国カリフォルニア州の北部に位置する,人口約78万人の,西海岸を代表する都市の1つである。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco ; UCSF)は,サンフランシスコ市内に4つのキャンパスを有しており,医学・薬学・看護学・歯学大学院等から構成され,主に医学分野を専門にした大学院大学となっている。UCSFの母体は,カリフォルニア州オークランド市に本部を置くカリフォルニア大学(University of California)であり,10の州立大学を有するアメリカ合衆国で最大規模の州立大学群である。
今回訪問したUCSFのMiranda Kramer氏(写真1)は,看護師,専門看護師(CNS),ナースプラクティショナー(NP)の資格を有し,看護学大学院において,スタッフナース,ナースプラクティショナー,専門看護師,教員等,さまざまな場面・職種で活躍している。専門は主にがん放射線治療で,近年は特に乳がんを専門に教育・研究に携わっている。
今回,筆者ら3名の教員がUCSFを訪問し,米国における放射線看護に関する教育体制等について学んだ。米国では,放射線診療における看護師の役割が日本に比べて大きいため,米国における放射線診療に伴う看護職の役割や実践,放射線看護教育等について学ぶことは,本研究科で取り組んでいる被ばく医療人材育成の対象者とその教育内容を検討する上で非常に参考となるものであった。
【研修目的】
・急性放射線障害に対する看護・教育に関する視察・情報収集
・被ばく医療に関する学生への教育カリキュラムに関する情報収集
・病院での放射線看護の現状と課題に関する情報収集
【主な研修内容】
・UCSFがん専門看護師プログラム(UCSF Oncology CNS Program)
・PhD/DNP・CNS/NPの役割(The Role of PhD/DNP・CNS/NP)
・放射線被ばく(Radiation Exposure)
・放射線看護(Radiation Nursing)
・UCSF患者意思決定プログラム(UCSF Decision Making Program)
・乳がんサバイバーシッププログラム(UCSF Breast Cancer Survivorship Program)
【主な訪問施設】
・UCSF看護学大学院(UCSF School of Nursing)
・UCSFメディカルセンター・マウントザイオン(UCSF Medical Center at Mount Zion):腫瘍放射線科(Radiation Oncology Department),がん情報センター(Cancer Resource Center),治療センター(Infusion Center),Osherセンター(統合医療)〔Osher Center(Integrative Medicine)〕,乳がんセンター(Breast Care Center)
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