連載 看護研究の基礎 意義ある研究のためのヒント・第10回
量的研究─分析の基礎(後編)―Quantitative Data Analysis(the second part)
坂下 玲子
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.512-521
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100694
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量的研究は,その結果を一般化することをめざして行なわれる。だから,得られた標本集団から,統計の手法を使って母集団を推測することになる。研究者は統計学に精通していることが望ましく,米国の博士課程においては,複数の統計手法の単位が必修となっている。
一方で,限られた1人の人生において,臨床にも,研究にも,統計にも精通することは無理な話であろう。また,統計学=量的研究法ではない。高校時代に数式を理解できなかったからといって,量的研究ができないわけではない。研究において最も大切なのは,Research Questionであり,看護学の視点を明確にもっていることである。どのような目的のときに,どのような統計方法が使えるのか概要を把握しておくことは重要であるが,統計の専門家の助言を受けながら,研究を進めることのほうが効率的だと思う。
今回は,研究デザイン別に分析方法について概観する(表1)。誌面の関係で,羅針盤的に分析方法名をあげるにとどまっているので,具体的な検定方法は,後述した参考文献を参考にしてほしい。また,論文を読むときの参考に,最近よく使われるようになった高度な統計手法にも触れた。
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