特集 経験を記述する 現象学と質的研究
時間経験と協働実践の編成―急性期病棟の看護に注目して
西村 ユミ
1
,
前田 泰樹
2
1首都大学東京健康福祉学部
2東海大学総合教育センター
キーワード:
協働実践
,
時間経験
,
実践の編成
,
急性期病棟
,
現象学的研究
Keyword:
協働実践
,
時間経験
,
実践の編成
,
急性期病棟
,
現象学的研究
pp.388-399
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100673
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1.時間経験への関心
本稿で試みようとしているのは,病棟で働く看護師たちが「時間」をいかに経験しているのか,それが実践とどのように関係して成り立っているのかを,記述的に探究することである。
そもそも看護実践の探究において「時間」に関心をもったのは,総合病院の急性期病棟で看護師に同伴をしながらフィールドワーク註1を行なっていた際に,しばしば,彼らの実践に「時間」への関心や注意が見て取れたためである註2。例えば,本稿で紹介する看護師Cさんは,ある患者の検査時間に関心を向けることからその日の実践を始めたのだが,その後,検査時間が変わったり患者の状態に気がかりを感じ取ったりすると,その状態に注意を引き寄せられ,その注意とともに次の行為やプランが決まり,実践が組み換えられていった。
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