焦点 慢性の病いにおける他者への「言いづらさ」─ライフストーリーインタビューは何を描き出すか
7つのライフストーリー
3.精神障がいに対するセルフスティグマから解放されたCさんのライフストーリー
寳田 穂
1
,
古城門 靖子
2,3
1大阪市立大学大学院看護学研究科
2東京医科歯科大学医学部附属病院看護部
3東京医科歯科大学医学部附属病院看護部リエゾン精神専門
キーワード:
精神障がい
,
セルフスティグマ
,
心の自由
Keyword:
精神障がい
,
セルフスティグマ
,
心の自由
pp.268-273
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100524
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はじめに
Cさんは,精神障がい者支援にかかわる特定非営利活動法人(以下,NPO)に所属し,ピアサポートに携わっている40代半ばの女性である。Cさんは,うつ状態や非定型精神病などの診断を受けている。筆者は,精神看護学の教員をしており,Cさんが所属しているNPOが運営している施設で10年ほど前から学生の実習を受けてもらっている。今回,実習に携わってくれているNPOの職員から,Cさんを紹介していただいた。
インタビューは,NPOの事務所の一室で行なった。インタビュアーの自己紹介,本研究の目的や倫理的配慮,協同研究者のことなどについて説明し,同意を得てからインタビューを開始した。Cさんは,NPOの職員から,筆者について大まかな情報を得ている様子だった。若干の緊張と訊きづらさを感じながら,インタビューは始まった。しかし,インタビューが進むにつれ,Cさんの話に引き込まれていった。Cさんは,「インタビュー開始前からとても緊張していた」と,インタビュー終了後に笑顔で語った。インタビュー時間は1時間だった。
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