焦点 看護ケアの質評価と改善─研究の成果と今後の発展に向けて
【看護ケアの質評価・改善システムについて】
―座談会―日本における看護の質改善システムを確立するために―看護QIシステムでできること
上泉 和子
1,2
,
片田 範子
3
,
内布 敦子
3
,
坂下 玲子
3
,
鄭 佳紅
2
,
永池 京子
4,5
1青森県立保健大学
2青森県立保健大学健康科学部
3兵庫県立大学看護学部
4社会医療法人愛仁会
5前日本看護協会
pp.365-372
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100459
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上泉(司会) 看護QI(Nursing Quality Improvement)研究会が活動を開始してから,すでに15年ほどが経ちます。この研究会は,「そもそも看護ケアの質とは何か」というところから始め,さらに「よい看護の質とはどういうものなのか」を探求し,そこから「どうやって測るのか」を開発して,指標(indicator)をつくっていきました。こうしてできたのが,「看護ケアの質評価・改善システム」(看護QIシステム)です。そして,多くのデータを蓄積し,そのデータに基づいてどう評価するかという段階まで進めてきました。
この一連のプロセスで大事にしてきたのは,評価の結果を改善に結びつけられるようにすることです。また,そうした視点から,米国のANCC(American Nurses Credentialing Center;米国看護認証センター)によるマグネットホスピタル認証プログラム(Magnet Recognition Program)やNDNQI®(the National Database of Nursing Quality Indicators®)などの成果も注視してきました。それらも踏まえつつ,この座談会では,看護QIシステムで何ができるのか,看護ケアの質の評価を改善に活かすための方策は何かについて話し合い,日本でのこれからの方向性を探っていきたいと思います。
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