特別記事
看護教育学「研究推進コース」の活動―ポスト・ドクトラル・コース開設を視野に入れて
舟島 なをみ
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1千葉大学大学院看護学研究科看護教育学教育研究分野
キーワード:
ポスト・ドクトラル・コース
,
大学院看護学研究科博士後期課程修了生
,
看護教育学
,
職業的発達
,
看護学研究
Keyword:
ポスト・ドクトラル・コース
,
大学院看護学研究科博士後期課程修了生
,
看護教育学
,
職業的発達
,
看護学研究
pp.549-554
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100405
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はじめに
千葉大学大学院看護学研究科看護教育学教育研究分野は,看護教育学を専攻した博士後期課程修了生を対象に,2008(平成20)年4月,「研究推進コース」を開講し,活動を継続している。
このコースは,ポスト・ドクトラル・コースに匹敵する教育課程を編成して,看護教育学を専攻した博士後期課程修了生に学習機会を提供し,個々人がその社会的責務の遂行に必要な能力向上を図ることを支援する試みである。2008年度,おおむね1か月に1回の演習を継続した結果,このコースの活動が受講者にとって,博士の学位を取得した者として必要な能力の向上と,それを通した社会的責務の遂行につながっていることを確信できた。
海外には,博士の学位を取得した者がその能力の向上を図るための教育課程として,ポスト・ドクトラル・コースを開いている大学が存在する(千葉大学21世紀COEプログラムサブプロジェクトFグループ,2007)。また,博士取得者が社会的責務を果たすために必要な能力向上を図ることをめざし,体系的な教育機会を提供することの重要性も強調されている(Loveland-Cherry & Phancharoenworakul, 2005)。一方,日本にはまだそのような教育課程は皆無である。「研究推進コース」の活動には,将来,日本の教育制度のなかにポスト・ドクトラル・コースが正規の教育課程として発足し,この試みがそこに位置づくことへの期待も込められている。
以下,この「研究推進コース」について,開設の経緯,活動の概要と成果,今後の課題と展望を紹介する。
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