焦点 研究の質を高めるコツと工夫─申請書の書き方・投稿論文のまとめ方
意義ある研究のための申請書の書き方―【第2部】研究助成申請書作成のポイント
坂下 玲子
1
1兵庫県立大学看護学部
キーワード:
看護研究
,
研究助成申請書
,
科学研究費補助金
,
日本学術振興会
,
民間研究助成
Keyword:
看護研究
,
研究助成申請書
,
科学研究費補助金
,
日本学術振興会
,
民間研究助成
pp.99-110
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100360
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研究助成を申請することとは
第1部では,研究計画の練り方についてお話しました。では第2部として,研究助成獲得に向けた申請書の書き方のヒントについて述べたいと思います。
私が研究助成のための申請書を書きはじめたのは,博士課程のころでした。当時,私がお世話になった講座は比較的大きな研究費を獲得していましたが,いくつもの研究が走っていて,私の研究だけに費用をいただくわけにはいきませんでした。私費もずいぶん投入しましたが,私費には限界があり,あっという間に底をつきました。哺乳行動を解明するために精度の高い圧力センサーが欲しかったし,乳児の微弱な筋活動を測定できる筋電計を開発する必要もありました。学会に行って情報収集をするにも,統計ソフトを買うにも,お金が必要でした。やりたいことをやるためには研究費は不可欠で,必要に駆られて助成金を探しました。最初はトヨタ財団から,次に日本学術振興会特別研究員として研究助成をいただきました。申請書は私にとって研究へのラブレターでした。そのラブレターを書く段階で,自分がどのような世界を望んでいるのか,それをどう実現していきたいのか,どう伝えるのかを考えることを学びました。
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