焦点 看護におけるeffectiveness research―RCTを超えて
【講義2】なぜ看護はeffectiveness researchをリードしなければならないのか
Ivo Abraham
1
,
坂下 玲子
2
1School of Nursing, University of Arizona
2兵庫県立大学看護学部
pp.453-467
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100336
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慢性疾患の増加から考えるべきこと
前稿の講義は,たとえるならばたくさんの専門用語や概念の石を落とした状態です。今回は,その石を組み立てて形づくっていきましょう。
まずお話するのは,ヘルスケア全体にとって,看護にとって,慢性疾患がどれだけ重要であるかということです。図1は1990~2020年の間の疾患の変化を示したものですが,疾病構造がいかに急速に変わりつつあるか,皆さんもお感じだと思います。図をみると,外傷は少し増えているかもしれませんが,あまり大きな変化はありません。他の疾患,例えば感染症などは少し減ってきています。そこで,私たちヘルスケアの仕事の多くが,慢性疾患で悩む人々に対するケアになります。
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