焦点 看護における学術集会―意義・歩み・運営の実際
―座談会―看護における学術集会の歩みと展望
中島 紀恵子
1
,
中西 睦子
2
,
前原 澄子
3
,
南 裕子
4
,
山本 あい子
4
1新潟県立看護大学
2国際医療福祉大学保健学部看護学科
3三重県立看護大学
4兵庫県立看護大学
pp.91-99
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100183
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科学学会と研究学会の設立の頃
山本 近年の看護基礎教育の大学化,大学院における高度な専門教育と研究活動の拡大を反映してか,専門領域ごとの新たな学会の立ち上げや学会活動の活発化が目立っているように思います。それに伴なって看護職が学会に参加する機会が増えるとともに,大学等の教育研究機関に学術集会の開催などを通じて地域や看護界への貢献が求められる機会がより多くなってくると思います。そこで改めて看護における学術集会の意義を考え,運営にまつわるコツを共有しようというのが本号焦点の主なねらいです。ここでは,これまでいくつかの学術集会長を経験された先生方にお集まりいただき,看護における学術集会の歩みを振り返り,今後の課題を指摘いただくとともに,学術集会長経験者ならではのお話も聞ければと思います。学術集会は学会活動の一部ですので,ここでは学会活動や研究といったところに少し話を広げていただいてもよいかと思います。
南 学術集会には学際的な学会と,学際的な学会から看護学のアイデンティティを求めて独立していく学会,つまり救急医学会から救急看護学会が生まれてくるようなものもあれば,日本保健医療行動学会,日本生命倫理学会といった学際的であるというアイデンティティのもとで育てていく学会とがあると思います。私は日本生命倫理学会の学術集会長をする機会があって看護が会長の役を担ったのですが,学際的な学会と,看護学という学問のアイデンティティを追い求めていくことを主眼とした学会とは,少し違う気がするのですよ。だから,看護でも多くの学会ができてきた今,改めて学会とは何なのかという議論をしなくてはいけないと思います。
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