Japanese
English
焦点 看護安全への認知的アプローチ
医療の情報化は看護現場に何をもたらすか―「横の糸」分析・無駄作業分析による事例研究
What do Information Systems Bring on to Nursing Activity?: A Case Analysis of The Woof Structure of Medication
原田 悦子
1
,
重森 雅嘉
2
,
渡辺 はま
3,4
,
南部 美砂子
5
,
赤津 裕子
6
Etsuko Harada
1
,
Masayoshi Shigemori
2
,
Hama Watanabe
3,4
,
Misako Nambu
5
,
Hiroko Akatsu
6
1法政大学社会学部
2鉄道総合技術研究所人間科学研究部心理・生理研究室
3科学技術振興機構
4東京大学大学院教育学研究科身体教育学コース
5東京大学大学院総合文化研究科21世紀COEプログラム「心とことば―進化認知科学的展開」
6沖電気工業(株)研究開発本部ヒューマンインタフェースラボラトリ
キーワード:
医療情報化システム
,
1本渡し
,
作業空間のデザイン
,
処理単位
Keyword:
医療情報化システム
,
1本渡し
,
作業空間のデザイン
,
処理単位
pp.118-128
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100081
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はじめに
原田ら(2003,および本号8ページからの「『縦の糸』分析からみた医療の情報システム化」参照)では,統合型オーダリングシステムが適切に導入された病院において,注射業務の「縦の糸」分析から医療の情報化が医療安全のためにどのような効果をもたらしうるかを示した。実際は情報化の効果はタスクの「横の糸」の変化を介して実現する。それでは実際に,医療の情報化はタスクの「横の糸」要素に対してどのような影響を及ぼしているのであろうか。本稿では「横の糸」の視点から検討を行なった。
方法として,対象とされたM病院のうち42床を担当する内科病棟におけるナースステーションでの活動を取り上げ,ビデオによる観察・分析ならびに業務遂行に関するインタビューを行なった。情報システム導入の影響を明らかにするため,まず病棟における諸情報の利用について概説し,つづいて「横の糸」分析として,薬剤受領作業と注射準備作業の分析結果を報告する。
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