連載 「根拠のあるケア」のための新しい考え方 母子相互影響看護論・2
妊娠期の母子相互影響の概要と物質交換・妊娠継続力を整える看護
河野 洋子
1
1淑徳大学看護栄養学部看護学科
pp.182-188
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202136
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母性看護において母子の相互影響を見つめることが大切であることに気付いたのは,私自身が2人目の子を妊娠していたときでした。当時の私は,「妊娠中の今の私が無理なダイエットをし,激しい運動をしたらどうなるのだろう? 妊娠していないときならその影響は自分自身に降りかかってくるだけだけれど,妊娠している今は,おなかの子どもに悪い影響を与えない範囲でダイエットや運動をするべきだな」と考えました。そしてあらためて,妊婦のあらゆる行動が胎児に影響を与えることを念頭に置いておかなければならないと実感し,それと同時に,「妊娠していないときにはしてもよかった行動を,妊娠したためにできなくなるということは,妊婦の側も胎児がおなかの中に存在していることから影響を受けているではないか!」と気付いたのです。
この経験は,母子相互影響に着目して,そのありようを良い状態に整える看護の方法を明確にしていこうと考えるきっかけとなりました。
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