Focus
丹波篠山市でMy助産師による産前産後の継続ケアを始めました(前編)/—コラム—行政としての産科問題への取り組みとMy助産師制度/—コラム—「それ,ええやん」
成瀬 郁
1
,
山下 好子
2
,
森田 靖久
3
1丹波篠山市My助産師ステーション
2丹波篠山市健康課
3丹波新聞社
pp.282-287
発行日 2021年4月25日
Published Date 2021/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201773
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はじめに
兵庫県丹波篠山市(以下,当市)は人口4万1千人,年間出生数約260人の地方都市です。私は28年前,第1子を妊娠中に大阪府から自然豊かな当市へ移り住み,この地で出産・子育てをしてきました。当時は車で30分圏内に出産可能な医療機関が4カ所あり,各施設の特徴なども調べ,出産場所を選ぶことができました。
しかし,全国的な産科医不足・集約化の影響で,当市においても2020年3月で兵庫医科大学ささやま医療センター(以下,ささやま医療センター)が分娩休止となり,出産できる施設は個人の産婦人科診療所1カ所となりました(図1)。
2019年5月,ささやま医療センターが分娩休止の意向を表明したと同時に市長の呼びかけで「産科充実に向けての検討会」(以下,検討会)が発足し,検討を重ねました。その中で私が提案した「My助産師による産前産後の継続ケア」が,女性が安心して妊娠・出産・子育てができる支援と認められ,2020年8月,市の事業として本格始動となりました。前編ではその実現に至るまでの軌跡を振り返ります。
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