特別記事
助産師主導の継続ケアがポジティブな出産体験につながる理由を考える—母親と助産師の語りから[前編]
古宇田 千恵
1,2
,
中野 裕子
1,2
1日本妊産婦支援協議会りんごの木
2出産ケア政策会議
pp.858-862
発行日 2021年11月25日
Published Date 2021/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201924
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ポジティブな出産体験につながるケアとは
15〜20分間の限られた時間で行う妊婦健診や助産師外来に,助産師としての限界を感じることはないだろうか。妊婦健診や助産師外来といった相談の場での助産師の役割について問われれば,「信頼関係の形成」「妊婦のあるがままの気持ちを受け止め,受け入れる」「妊婦本人の持っている力を信じ,本人の力を引き出す」「妊婦が自分なりの解決方法を見いだすのを支援する」といった言葉を思い浮かべる人もいるだろう。短時間の面談数回では,そうした役割を十分に果たせていないのではないか,と感じることがあるかもしれない。
WHOによるガイドライン“WHO Recommendations:intrapartum care for a positive childbirth experience”は,今年3月に日本語に翻訳されて出版された。このガイドラインの特徴は,母子の安全という観点に加えて,出産の当事者である女性にとって出産体験がポジティブなものであったかどうかという観点から作成されていることにある。
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