連載 多様性があたりまえの未来へ 国内最大規模のLGBTs調査結果から・1【新連載】
性的指向・性自認・性別表現とは?
日高 庸晴
1
1宝塚大学看護学部
pp.276-279
発行日 2021年4月25日
Published Date 2021/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201772
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連載を始めるに当たって
性教育やHIV/STI*1予防教育といえば異性愛の男女間におけることといった自明視されていることやそういった思い込みがあるかもしれない。2015年以降わが国においてもLGBTをはじめとするセクシュアルマイノリティ(LGBTs:エル・ジー・ビー・ティーズ)*2についての報道や自治体による取り組みが急増しており,助産師の皆さんにとっても耳にすることが以前に比すれば格段に増しているのではないだろうか。
レズビアンカップルやゲイカップルで子育てをする「多様な家族」も少数ながら顕在化しつつあることを視野に,多様性を前提にした健康教育やその子育て支援が現実的に求められるようになっている。また,日本助産師会「助産師の声明・綱領」のⅢ 助産師の倫理綱領 第2項の平等なケアの提供には「女性と子どもおよび家族に対して,国籍,人種,宗教,社会的地位,ライフスタイル,性的指向などによる何らの差別を設けずに,平等にケアを提供する」と記されている。
本連載では,出産や女性のライフスタイル支援のみならず,学校での出前による性教育などの健康教育の担い手として社会的要請がある助産師に今後備えておくことが求められる,性的指向と性自認の違いやその関連する知識,性別に基づく(あるいは基づかない)表現の多様さなどについて扱う。筆者がこれまでに実施してきたLGBTsを対象にしたアジア最大規模の国内調査データや事例を通じて,分かりやすくお伝えすることを計画している。
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