連載 医療コミュニケーションことはじめ・7
医療コミュニケーションにおける「メタ認知」の重要性—「離見の見」は何事をする際にも役立つ「第3の視点」
中野 重行
1
1大分大学
キーワード:
医療者
,
患者
,
そして俯瞰的な視点という3つの視点を身につける
,
離見の見(自分のことを客観視する視点)
,
メタ認知能力を高める
,
患者の気持ちについての新たな気づきを得る
Keyword:
医療者
,
患者
,
そして俯瞰的な視点という3つの視点を身につける
,
離見の見(自分のことを客観視する視点)
,
メタ認知能力を高める
,
患者の気持ちについての新たな気づきを得る
pp.134-137
発行日 2021年2月25日
Published Date 2021/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201733
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医療コミュニケーションの学習では,3つの役割を体験することが重要
私たちが行う医療コミュニケーションの参加体験型ワークショップでは,学習者が3人1組になって,医療者役,患者役,観察者役という3つの役割を交代して体験することを重視してきました。この3つの役割を演ずることを通じて,「3つの視点」を身につけることを目指しています。
第1の視点は,良き医療者を目指すため当然のことですが,医療者役を演ずることにより得られる「医療者の視点」です。第2の視点は,患者役を演ずることにより得られる「患者の視点」です。患者を疑似体験することにより,患者の気持ちについての新しい気づきが得られるのです。しかし,この2つの視点だけでは,まだ十分とは言えません。医療者役と患者役の間で起こっていることを観察する観察者役を演じて得られる第3の視点が重要なのです。客観的に見る「俯瞰的な視点」です。医療者の視点と患者の視点だけでなく,この第3の視点を自分の中に育てることが,良き医療者になるために重要です。
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