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ほんとうに確かなことから考える妊娠・出産の話—コクランレビューからひもとく
福井 トシ子
1
1日本看護協会
pp.970-971
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201159
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ルーチンケアや新たな課題への再考を促す1冊
コクランは,「1992年に設立され,25年を超える歴史をもつ組織」であり,その核になる考え方である「根拠に基づく医療」は,「近年の医療分野の十大発明にも数えられて」(本書p.ⅲ,「はじめに」より)いるという。そのような情報源をベースとして書かれた,本書のような存在を待っていた周産期医療関係者,特に助産師は少なくないと思う。どの章もたいへん興味深く,参考になる。ここでは,出産時のケア,ルーチンに焦点を当てて,紹介してみたいと思う。
「出産に関するさまざまなルーチン」の中で,剃毛や浣腸は「妊産婦の心理的負荷は大きいが,明らかなメリットはない」と記載され,著者は「日本においても,近年では『ルーチンでの剃毛や浣腸はせず,必要に応じて行う』という方針の産婦人科が増えている」と述べている(p.56)。
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