特集 EBMにもとづく周産期ケア
コクランライブラリのすすめ
名郷 直樹
1
1作手村国民健康保険診療所
pp.1033-1037
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902301
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コクラン共同計画
コクラン共同計画1)は,1992年イギリスの国民保健サービス(National Health Service:NHS)の一環として発足した治療,予防に関する医療の評価調査プロジェクトである。この命名は,1970年代にすべての医学的介入についてランダム化比較試験が必要で,その結果をまとめ,伝える必要があると力説したArchiebald Cochrane(1908-1988)の名に由来する。治療,予防に関する臨床試験を言語,出版の有無,あるいは有効,無効という結果を問わずすべて登録し,系統的な方法でこれらの臨床研究を吟味し,臨床家に対し現時点での標準的な治療,予防の情報を提供するのを主な仕事としている。ここでいう系統的方法とはEvidence-Based Medicine(EBM)が提唱する方法に他ならず,そのプロダクトはシステマティックレビューと呼ばれている。
現在コクラン共同計画はイギリスの他,アメリカ,カナダ,オーストラリア,オランダ,フランス,イタリア,デンマークなどにセンターがおかれている。日本はオーストラリアセンターに属するが,1994年11月にはJapan informal Network for Cochrane Collabollation(JANCOC)が設立され,その第1回の会合が開催された。その後も定期的にワークショップが開かれるなど,日本にもセンターをおく準備が徐々に進められつつある。
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