連載 ほんとの出会い・11
ベトナムで見た日本の情
岡田 真紀
pp.148
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100396
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昨秋,ベトナムに行った。翻訳していたベトナム童話『コオロギ君の冒険日記』の著作権交渉のためである。ハノイの町には,3人乗り,4人乗りのバイクが氾濫し,そこに車や観光客を乗せたシクロ,籠を前後に下げた物売りが行き交い活気に溢れている。31年前に終わったベトナム戦争で多くの命が失われただけに,戦後生まれの若者の比率が高く,「さあ,これからだ!」という気運がひしひしと感じられる。
空港とハノイを結ぶ道路には,Panasonic,Fujitsu,Hitachiと日本企業の大きな看板が林立する。出版業界でも日本への関心が高く,驚いたことに『クレヨンしんちゃん』も出版したとのこと。ある女性編集者は,「子どものころから『ドラえもん』を読んで育ったし,自分の子どもも『ドラえもん』を読んでいる。だから日本がとても身近に感じられる」と,親しみのこもった目で私たちに話し掛ける。
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