特集 海外の公衆衛生専門教育—日本と比較して
ベトナムにおける公衆衛生教育
レ・ホアン・アイン
1
LE HOANG ANH
1
1大阪大学医学部公衆衛生学教室
pp.207-211
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901855
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ベトナムの概要
ベトナム社会主義共和国(以下,ベトナムと省略する)は北を中国に,西をラオスとカンボジアに国境を接しており,面積は四国を除く日本のそれとほぼ同じで(33万平方キロメートル),南北に細長い国である.国土面積の75%は山岳地帯であり,耕作面積はわずかに5%である.
人口の70%は農業に従事しており,1992年の一人当たりのGDPは年間220米ドルで,最貧国の一つとされている.ちなみにインドネシアは980米ドル,フィリピンは1,050米ドル,タイは2,740米ドル,マレーシアは3,890米ドルと報告されている.さらに農村部と都市部の生活水準,生活環境の格差はいまだに大きく,農村部,とくに山岳地帯では安全な飲料水を得ることが困難,衛生的な便所がないなど不衛生な状態にある.
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