社会の窓
転機にきたベトナム戦争
野口 肇
pp.64
発行日 1966年5月10日
Published Date 1966/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203651
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ベトナムの泥と炎の戦乱はまだつづいています.北爆もやはり継続中です.悲惨のいたり,もう1年にもなります.病院にも学校にも無差別に爆弾がおとされ,非戦闘員がむざんにころされています.その代表的な例は,北ベトナムにある赤十字の印しをつけたハンセン氏病院をおそって,これを報道した日本の毎日新聞の外信部長・大森実さんがクビになったことです.「自由主義」のとっておきの売りもの言論の自由と人道尊重はいま風前のともしびです.じじつこの大森という人物は,社内のアカ退治こそやったが,かれじしん「アカ」のレッテルをはられる筋合いではないのです.そしてこれをきびしく責めて,新聞社首脳部にクビきりを強要したのが,ほかでもない,親日で評判のライシャワー駐日大使ときています.
それにしても近来,このベトナム戦争はあたらしい局面をむかえているようです.
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