グラビヤ
北ベトナムの医療と教育
pp.37-40
発行日 1964年3月1日
Published Date 1964/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905262
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
北ベトナムは,長いフランスの植民地支配より1945年9月2日独立し,ベトナム民主共和国を樹立した。北緯17゜以北のこの国は,トンキン湾に面し,南部は山がちで北部はハノイを中心に平野が開けている。面積は15万km2,人口は1960年3月1日の国勢調査によれば,1591万6千人。人口の80%がベトナム族で,タイ族,メオ族,トー族などがそれにつづく。首府はハノイ(人口6千万)。建国以来,ホー・チミン主席を先頭に,生産向上と人民の生活改善を国をあげて努力してきた同国の最近の医療,教育事情を紹介する。同国の科学・技術・文化・教育活動はすべて社会主義的な意識と文化教養の高い強健な身体の持主を育成し,党と国家の事業に奉仕する人間を育てあげることにある。人民生活も生産の発展にともない向上し,1959年には,国家の文化教育事業および保健事業への支出は,13.2%増加している。1959年は,1957年とくらべ医療機構とベット数は25%増し,医療幹部は8%増,乳児の死亡率は,1957年の11.19%から1959年には2.58%に低下した。フランス支配当時は,大都市に小数の病院があるのみであり,1400万の住民中約1000万人がトラコーマにかかり,400万人がマラリヤにかかっていたが,現在農村の80%には薬局があり,一村平均4名の看護婦と2名の助産婦がいるようになった。最近数年間は疫病も流行しなくなった。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.