特集 日本におけるWHO協力センター
結核研究所が世界の結核対策において果たしている役割と展望
加藤 誠也
1
1公益財団法人結核予防会結核研究所
pp.670-673
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208965
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はじめに
財団法人結核予防会は,1939年当時,国民病と呼ばれ恐れられていた結核の制圧のために,香淳皇后陛下から「官民協力して結核の予防と治療に当たるように」という令旨と御下賜金を賜り,それらを基にして設立された.結核研究所(以下,当研究所)は設立以来これまで,結核に関する基礎・臨床・疫学の調査・研究,研修などによって人材育成を行い,また,国・自治体・医療機関などへの技術支援を通して国内の結核対策の中心的な役割を担ってきた.
国際協力に関しては,1963年に開始された国際研修をはじめとして,WHO(World Health Organization)協力センターとして調査・研究を行い,政府開発援助(official development assistance:ODA)などの資金による対策や調査への技術協力や,国際的な連携に基づく基礎・疫学研究など多岐にわたる活動を実施してきた.
本稿では,最近の5年間のWHOの関係する活動実績を基にして,当研究所の世界の結核対策における役割を述べる.
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