連載 助産婦のための疫学入門・13
“あなたの真実”を科学する—リサーチ・クエスチョンと研究計画書
三砂 ちづる
1,2
1前・国際協力事業団(JICA)ブラジル家族計画母子保健プロジェクト
2ロンドン大学衛生熱帯医学校母子疫学ユニット
pp.160-164
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902590
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調査をすれば…?
先日,お産に関するシンポジウムに参加させていただく機会がありました。そこでわたしは,「お産の分野では調査研究されていない分野も多い。たとえば,お産のときの環境,薬物使用などが,赤ちゃんの将来,あるいはお母さんの今後などに,長期的にどのような影響を及ぼすのか,まだほとんど調査されていません」という話をしました。司会の方から「では,そういうことが調査されてわかるようになってくれば,女性は何が本当にいいことかわかり,もっといいお産を選ぶようになるでしょうか」と聞かれました。
この質問には,「調査研究で何かが明らかになれば,何が変わるのか」という重要な問いかけを含んでいます。科学の言葉で証明されれば,何が変わるのでしょう。
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