連載 宝物,教えてください・2
矢じりは私の生きる原点
矢島 床子
1
1矢島助産院
pp.169
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200431
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岐阜の山奥で農家の娘として生まれ,年の離れた姉・兄たちのなかで育ちました。小さい頃から矢じりを拾い,夢ばかりを追っていた少女時代でした。小さな矢じりを拾うと,数日間,私は夢のなかで縄文時代の人たちと話すことができ,彼らと同じ風景が目の前に広がっていきました。どんな高価な宝石よりも,小さな矢じりが私の宝物でした。
縄文時代,3000年以上も前の人が硬い石を何時間もかかって削り,丁寧に矢じりをつくっていました。長い長い命のつながり……この矢じりに,いつもワクワクしていました。矢じりは私の生きた証し,生きる原点です。
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