連載 宝物,教えてください・1【新連載】
在胎週数グラフ─助産院の歴史とともに
伊藤 朋子
1
1とも子助産院
pp.85
発行日 2016年2月25日
Published Date 2016/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200410
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助産院の廊下に,丸シールでつくったカラフルなグラフが貼ってあります。在胎週数を横軸にしたヒストグラムは,きれいな正規分布を描いています。赤ちゃんが生まれるたびに,その子の在胎週数日に丸シールをポチッと貼ってきました。シールには開業以来の分娩番号が記入してあります。開業16年目で800番を数えました。年ごとにシールの色を変えていて,2016年は緑。
「分娩予定日を挟んだ5週間が,助産院の守備範囲。ここから外れた時期には,助産院でお産はできません。病院にも助産院から手伝いに行きます。無事に出産したら,産後を助産院で過ごすのもOKです。分娩予定日って,ぴったりその日に生まれるってことではないの。こんなにバラけるんですよ。当番の助産師たちは,いつお産に呼ばれてもいいように,ヨーイドン!の恰好でいつも待っているの。パパも,しばらくは晩酌控えてくださいね」なあんて,見学に来たカップルに,このグラフをお見せしながら,話をするのが楽しいのです。
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