連載 海を渡る助産婦 長崎・五島列島で活躍した明松スナさんの手記・1【新連載】
「明松助産所」の誕生
石川 紀子
1
,
小野 幸子
2
1総合母子保健センター愛育病院産婦人科外来
2前・小野医院
pp.52-55
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200400
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連載をはじめるにあたって 石川紀子
日本が昭和の時代を迎えた1920年代,第二次世界大戦前から戦中,戦後と,長崎県の離島で多くの分娩に立ち会い,母子支援に奮闘した,ある助産婦の手記を紹介します。
この手記は,明松スナさんという助産婦が書いたものです。生涯独身で助産婦として人生をまっとうしたスナさんに,自身の足跡として手記を書くよう勧めたのは私の叔母・小野幸子でした。1926(大正15)年生まれの叔母も,助産婦としてかつて長崎県の五島列島で開業していました。叔母が1951(昭和26)年に助産婦の資格試験を経て開業した時,スナさんは同じ地域で開業していた大先輩の助産婦でした。叔母の勧めに応じ,スナさんはこれまでの仕事の記録を手記としてまとめました。昭和の終わり頃のことで,叔母も資料の整理を手伝いながらの作業だったようです。
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