実践報告
産科緊急出血時に看護スタッフは何を考え看護を実践したか—担当者たちの活動レポートの分析から
中川 光子
1
1長岡赤十字病院看護部産科棟
pp.138-143
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200124
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はじめに
産科緊急出血の主なる病態である弛緩出血,子宮頸管裂傷,HELLP症候群(Hemolysis, Elevated Liver enzymes and Low Platelet count syndrome),羊水塞栓症はDIC(Disseminated Intravascular Coagulation)を発症させる危険性が高く,一刻も早い緊急対応が求められる。今回,帝王切開後に夜間に重症な弛緩出血となり,DICを発症した症例を経験した。その時に看護チームが行なった助産活動は,どのようなものであったか,どのような考えや意思がその活動を決めていったか。当事者たちの活動内容を調査し分析することで考えや意思を明らかにし,行動を決めたプロセスを明らかにしたいと考えた。そのため当事者に活動したこと,考えたことや思いをなるべく詳細にレポートしてもらう方法をとった*。さらに緊急時には,他の医療部門との協働活動が特に重要になるので,他部門との連絡調整を誰がどのように行なったか,その活動も記録してもらった。この分析で得られた結果が産科関連の看護チームの臨床実践能力レベル向上の一助になることを願い,報告する。
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