背中を押された言葉は「夢と勇気」

　開業助産師となって22年目を迎える。32歳の時に開業して以来今日に至るまで，日々の暮らしの煩雑さに追われながらも，あっという間の年月だった。

　助産師として私に何ができるか。助産師学校卒業以来，病院勤務をしながら日々葛藤をするなか，さまざまな経験や多くの人との出会いがきっかけとなり，開業を志す気持ちが徐々に膨らんでいった。ひと言で開業といえども，決してたやすくはない。当時は助産師としての経験も浅く，開業助産師として地域に根を下ろしてやっていくほどの知識も技術も信頼も，そして資金も含めて十分なものは何1つなかった。