連載 助産よもやも話・20
会陰裂傷が生じた時の対応はどうすべきでしょうか?
進 純郎
pp.1023-1025
発行日 2014年11月25日
Published Date 2014/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200033
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なぜ会陰裂傷にこだわるのか?
会陰裂傷の予防は,お産にかかわる助産師たちにとってはとても切実な問題のようです。それは会陰裂傷が発生した場合,現行の医療法では,たとえ第1度,第2度の裂傷でも産科医に縫合をお願いしなければならないからです。もちろん肛門括約筋が断裂した第3度裂傷,直腸壁に損傷が及んだ第4度裂傷では便失禁や直腸腟瘻などの合併症の危険が高くなるので産科医による縫合が不可欠です。助産師が直接介助していた自然なお産の際に第1度,第2度の会陰裂傷が生じ,産科医に縫合をお願いして,「ちゃんと会陰保護をしていたのかい?」「こんな程度の裂傷で深夜に俺を呼ぶのか?」と迷惑そうな顔で分娩室にやってくる産科医に接すると,赤ちゃん誕生という明るい雰囲気がいやなムードに変わってしまったという経験をもつ助産師さんは少なくないのではないでしょうか。
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