短期連載 REBORNの歩みを振り返る 産む人と医療者をつないだ20年間・3
当事者活動としてのREBORN
きくち さかえ
1
,
水戸川 真由美
2
1一般社団法人社会デザイン研究所
2公益財団法人日本ダウン症協会
pp.802-805
発行日 2014年9月25日
Published Date 2014/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102911
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欧米の自然出産運動の潮流を受けて
お産をめぐっては多様なかかわり方が存在する。医療者,当事者(出産する本人),家族,支援者,研究者,行政などさまざまな人々が,それぞれの立ち位置からお産とかかわり,語っている。REBORNは,そんな人々の横のつながりをつくることを目指して,ネットワークづくりと情報発信を行なってきた。REBORNのスタッフは13名中2名が医療者だが,それ以外は医療者ではない。それが,むしろさまざまな業種をつなげる橋渡しを生み出してきたと思っている。発信した情報もまた,当事者の目線で捉えたその時代の「お産」に関する情報だった。REBORNは,当事者目線でお産を語り,お産文化を伝達しようとしてきたのだ。
欧米の自然出産運動は,1960~1970年代,ラマーズやブラッドリーなど医師が考案した出産準備法に,当時のウーマンリブ(女性解放)運動が呼応した形で広まった。そのなかで「身体を取り戻す」というキーワードが語られ,医療に管理された出産身体に対して,女性たちは自らの身体を「取り戻そう」としたのである。この言葉は今思うと,「取り戻す身体」がまだそこにあったことがうかがえて,とても興味深い。70年代後半には日本にもラマーズ法が広がり,80年代はラマーズ法が自然出産の代名詞となった。
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