連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・76
2つの命に対する責任を感じながら
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.664-665
発行日 2010年7月25日
Published Date 2010/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101694
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実は私自身が現在,43歳の妊婦である。そして41週を過ぎている。そのうえ,まだ生まれる気配がない。日本にいるならまだ心配もしないが,フィリピンの地方にいる。数日前まで早くに生まれるだろうと気楽に考え,忙しいほうがいいと診療も他人のお産も看ていたのだから,仕方ない。
いろいろ想定外のことが起こっている。思えば妊娠初期からおかしな経過ではあった。最終生理からのたび重なる出血。妊娠反応が長期に出ない状態,やっと妊娠反応が出たと思ったらまた出血。妊娠子宮は骨盤内に下がり,常に少しの尿意でトイレへ行かねばならなかった。骨盤も少しずれているらしく,動きにくく痛みが付きまとった。子宮が下がっているので会陰部が腫れている感じがする。
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