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『《シリーズ ケアをひらく》コーダの世界 手話の文化と声の文化』
中根 直子
1
1日本赤十字社医療センター
pp.631
発行日 2010年7月25日
Published Date 2010/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101689
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「コーダ」とは,聞こえない親を持つ聞こえる子どもたち(Children of Deaf Adults)のことである。この本は,聞こえない文化で育った子どもたちが,聞こえる社会とどのように向き合っているかを,社会学の研究者である著者が明らかにしようと試みた軌跡である。
人の五感のうち,情報伝達にかかわるのは「視覚」が83%,「聴覚」が11%を占めるという。触覚・嗅覚・味覚は合わせて5%程度であり,言語的コミュニケーションに関して,それを左右するほどの影響力はないとも言われる。しかし,これは五感のすべてを持っているのが前提である。もともと「聴覚」を持たない人にとってみれば「視覚」がほぼすべてになるだろう。
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