連載 助産師のための新生児ケア集中講座・2
バイタルサインの観察力を高める
瀬戸 智美
1
,
一島 栄美子
2
,
米山 万里枝
2
1東京女子医科大学八千代医療センター新生児ユニット
2東京医療保健大学医療保健学部看護学科・助産学専攻科
pp.462-471
発行日 2010年5月25日
Published Date 2010/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101658
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はじめに
ライフスタイルの変化などにより,わが国における早産児の出生率は年々増加している。近年のこの動向は,新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit:NICU)のみならず出生直後の急性期にかかわる産科領域においても早産児への適切な看護ケアを提供する必要性が高まっていることを示唆している。
早産児は正期産児にくらべ胎外環境への適応障害が起こりやすく,出生直後からの十分な観察と看護ケアが,起こりうる適応障害を最小限にとどめるうえで重要である。また,出生時の在胎週数によって各臓器の生理機能の成熟度および体重など身体的発育に違いが生じるため,出生週数が児のバイタルサインの評価および全身状態の観察ポイントを見きわめる大切な情報となる。連載第2回では,新生児,とくに早産児の体温・呼吸・循環の基礎知識を簡単に整理し,バイタルサインの測定方法とその注意点について解説する。最後に事例を通し,早産児の出生直後の観察,アセスメント,および看護ケアについて考えていく。
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