連載 助産師のための新生児ケア集中講座・4
Not doing well(何となく元気がない)―異常を見極める観察技術と判断力を養う
米山 万里枝
1
,
一島 栄美子
1
,
瀬戸 智美
2
1東京医療保健大学医療保健学部看護学科・助産学専攻科
2東京女子医科大学附属八千代医療センター新生児ユニット
pp.650-659
発行日 2010年7月25日
Published Date 2010/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101692
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はじめに
「Not doing well」は,「何となくおかしい」「何となく元気がない」と訳され,医療従事者が見過ごしかねない新生児の非特異的な症状を示すものである。これは異常の初期徴候を示唆することが多く,話すことができない新生児が「何かを訴えている」サインである。
早産児や低出生体重児,先天奇形のある新生児は,出生直後に新生児集中治療室(以下,NICU)入院となるが,正常分娩で出生した新生児は,出生後,産科で管理されることがほとんどである。“健常”であるという前提で産科管理されている新生児の「何かが違う,いつもと違う」という漠然としたサインを,産科入院中一番身近にいる医療従事者である助産師,看護師が見極める観察技術を持つことは必要不可欠である。
今回は,分娩・出産経過が順調とみなされ,産科管理されている新生児の観察とその評価に焦点を当て解説していく。助産師,看護師が見逃してはならない新生児の小さなサイン,そしてそこから始まる具体的な対処について,考えていきたい。
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