連載 本のなる樹・3
お父さんにできること
さくま ゆみこ
pp.270-271
発行日 2009年3月25日
Published Date 2009/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101405
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- 文献概要
寒い季節が過ぎて,あたたかくなってくると,いつも犬の散歩に出かける公園にも,やってくる人たちの姿が多くなる。最近は,週末になると子どもたちとボールをけったり投げたり,遊具で一緒に遊んだりする若いお父さんたちもよく見かけるようになった。
そこで今回のテーマはお父さん。
最初は『ピッツァぼうや』。ピートは,雨が降って友だちと遊べないのでごきげんななめ。それを見たお父さんは,なんとピートをピッツァにすることに! すっかりピッツァ生地になったつもりで,じっと動かないでいるピートを,こねたり,引っ張ったり,のばしたり,空中に投げ上げたり,小麦粉がわりにベビーパウダーをふりかけたり,紙切れのチーズをふりかけたり……。
こんなふうに遊んでくれるお父さんって,最高! 児童書のなかには,子育てのヒントがたくさんつまっているけれど,これもその一例だ。
ピートのピッツァができあがるころには,雨がやんでお日様が顔を出し,ピートは上機嫌で外に遊びにいく。お父さんやピートの表情ばかりでなく,時々ピッツァをくすぐってみたりするお母さんの表情が,またいい。
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