癒しの環境
入院しててもお父さん—病室での電話
山下 道隆
1
1松戸市立福祉医療センター東松戸病院内科
pp.773
発行日 1999年8月1日
Published Date 1999/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902782
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病室での電話の使用については3年半前の日経メディカル1995年10月号87ページに「携帯電話の電波障害」について論じられてから各病院でも検討され,新聞の投書欄でも賛否両論が活発に飛び交いました.私も,骨髄移植のため入院した際,白血球が減ってベッドアイソレータから出られない時など,携帯電話に助けられた経験から,A新聞投書欄に「病室での電話の使用は,病状や障害のため自由に公衆電話まで出かけられない患者さんたちにとって人権の回復を意味する」旨論じました.
入院していると体調がよくて面会者を心待ちにしている時もありますし,看護婦さんの検温の巡回に応えるのさえおっくうな時もあります.体調のよい時相手を選んで交信したり,つらい時に家族に愚痴をぶつけたり,子どもたちの動静を確かめたり,携帯電話を用いたコミュニケーションが沈みがちな心を奮い立たせてくれました.
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