連載 英国助産婦学生日記・その34
学生最後の1週間
日方 圭子
1
1英国・サリー大学助産課程学生(ダイレクトエントリーコース)
pp.981
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100994
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●締めくくりのお産
コース最後の1週間は分娩室に戻った。学生の身分で働けるのはこれまで。一人前の有資格者としてこれからやっていけるだけの自信を付けないと……,と気持ちは焦る。この間,陣痛誘発剤を使った予定日超過の妊婦さんへのケアに多く携わった。予定日を過ぎた人,妊娠中毒症をもつ人,社会的理由などで陣痛誘発を受けるために来院する人が平日必ず2~4人いる。誘発が多いためか,分娩室が絶えず満員で忙しく感じた。
学生の間に介助しなければいけないお産は最低40例。この数はとうに超えていたので,お産になりそうな妊婦さんのケアはこれから40例のお産を介助しなければならない後輩学生に譲るのだが,それでもこの1週間に2件のお産に立ち会えた。私の手柄だなどとは決して思わないが,2人とも医療介入/鎮痛剤の使用が最低限で会陰も切れなかったのは嬉しかった。いいお産で最後を締めくくれた気がした。
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