連載 「わかる」から「できる!」に変わる臨床研修【最終回】
事例の振り返りによる実践能力の評価
鈴木 恵子
1
,
河原 由実
2
1日本赤十字社医療センター105棟
2日本赤十字社医療センター分娩室
pp.244-251
発行日 2007年3月25日
Published Date 2007/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100973
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「うわー,社会人は厳しい孤独な世界なんだ」
私の1年目,もう十数年前のことになりますが,今でも鮮明に思い出されることがあります。それは師長との面接の際に「あなたの目標は? 今そのために何に取り組んでいるの?」と矢継ぎ早に質問を受けたときの印象です。学生時代であれば「今あなたはこの段階です。次に求められる目標に到達するためには,これが必要」と1つひとつこと細かに指し示され,それはある意味穏やかで守られた安全な学生生活でした。それが一転,自分を分析し,目標を定め,そのために今とるべき行動を決定する,それらすべてが自分自身に任せられたのです。地図も舵取りもなく,1人小さな船で大海原に放たれた思いがしました。
現在,学生の就職先を選ぶ動機の第1位は「卒後教育の充実」とのことです。自分自身を見守ってほしい,方向性を指し示してほしいという気持ちの表れなのでしょう。十数年前の自分とも重なります。
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