特集 新生児の蘇生―アメリカNRP2006ガイドラインの紹介
新生児蘇生法の実際
③胸骨圧迫(心臓マッサージ)の方法/蘇生のフローチャート―NRPにもとづく蘇生の手順
和田 雅樹
1
1東京女子医科大学附属八千代医療センター新生児科
pp.98-99,120-127
発行日 2007年2月25日
Published Date 2007/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100949
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はじめに
出生によって胎盤循環が絶たれ,気道を満たしている肺水が空気と置き換わることを契機に,胎児は新生児として胎外生活に適応した呼吸循環動態に劇的に切り替わらなければなりません1)。この呼吸循環動態の移行が順調に進行しない症例でも,バッグ&マスクによる陽圧換気を適切に行なえば,通常は速やかに心拍数が増加し,それに引き続いて皮膚色(酸素飽和度)・筋緊張・自発呼吸が改善します2)。しかし,陽圧換気でも改善が認められない場合は,胸骨圧迫の適応となります。
胸骨圧迫は,以前は「心臓マッサージ」,もしくは「胸骨圧迫心臓マッサージ」と呼ばれていましたが,現在は「胸骨圧迫」に用語が統一されています。本稿では,新生児心肺蘇生法における胸骨圧迫の適応,方法,中止基準について述べていきます。
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