特集 混合化する産科病棟―地域格差と時代の要請を超える「鍵」の在り処
現場レポート
看護学生の目に映った「混合病棟」―「産婦人科に入院している患者に必要な配慮について」から
坂口 寛子
1
,
菅野 洸子
1
,
武井 祐季
1
,
藤尾 倫子
1
,
山﨑 幹子
1
,
森 涼子
1
1東京警察病院看護専門学校
pp.691-697
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100798
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研究を行なった「きっかけ」
私たちが母性看護学の実習を行なった病棟は,産科と婦人科が混合した“産婦人科病棟”でした。産科病棟と婦人科病棟は看護室を挟み,同じフロアにありました。母性看護学の実習であったため,主に産科病棟側での実習となりました。
実習の初日,オリエンテーションを受けた際,私たちは「新生児は感染しやすいため,婦人科の病室にはできるだけ行かないようにしてください」という説明を受けました。説明を受けたときには特に何も疑問を持ちませんでしたが,実習に慣れるにつれて,少し余裕も出てきて,病棟全体について考えられるようになりました。そして病棟が,患者に病状の説明をする時などに使用する診察室のすぐ隣に陣痛室があり,その奥に分娩室があるという構造になっていること。また,この病棟には妊産婦だけが入院しているわけではなく,婦人科疾患を持つ患者や妊孕性を喪失した患者も入院しているという状況に気づきました。
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