映画
怒りの孤島—日映作品
佐々木 宏
pp.48-49
発行日 1958年2月1日
Published Date 1958/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201425
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第7系統を目指してはなばなしく名乗り出た日映は創立時代のごたごたを経てプロダクシヨンとして正式に発足したのが6月,3カ月たつて第1作を発表,製作した.題名も『怒りの孤島』と怒りをこれで爆発させた恰好.
瀬戸内海に今も残つている舵子という,舟の舵をあやつる少年達の,はげしい労働と,ひどい生活の有様を描いたもの.昭和26年山口県情島(映画では,愛(いとし)島)の舵子5人が脱走するという事件があつたが,これを基にして水木洋子がまとめ脚本を書いた.NHKでは連続放送劇では『舵子』の題で取りあげた.監督には「女囚と共に」「警察日記」「雨情」の久松静児が当つている.主演少年達は児童劇団から監督自ら人選し,舵子になる少年を見付け出した.助演者には織田政雄,岸旗江,左卜全など俳優座,文学座,民芸などの芸達者を集めている.
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