特別寄稿
桶谷そとみ氏と私たちの思い出―若い助産師へのメッセージ
真木 めい子
1
1桶谷式乳房管理法研究センター東京校
pp.543-544
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100763
- 有料閲覧
- 文献概要
手技習得は日々勉強
私が初めて桶谷そとみ先生とお会いしたのは,昭和61年,長男を母乳育児している時でした。出産後,主婦の友社の桶谷式母乳育児相談室に通い,手技を受け母乳育児を実践していました。将来,桶谷式乳房手技を学びたいと思っていましたので,自分の授乳を機会に,桶谷先生の手技を体験したいと,大阪の先生の治療院に出かけました。
先生にお会いした時の感想は,失礼ながら自分の祖母のような感じでした(年代も戦時中満州に行っていた体験も同じせいかもしれません)。先生は「いい乳,いい子だよ!」と言われながら,ニコニコと手技をしてくださいました。浅はかですが私は,自分が手技を受ければ桶谷式の秘法の何かがわかるかと期待していましが,何をされているかわからないうちに手技は終わりました。手技を受けた後の乳房は乳輪直下を中心にマシュマロのように柔らかくなり,手技後の母乳を飲んだ子どもの顔がピンク色に,そして唇が真っ赤になりました。手技中に感じた不思議な感覚と,自分の乳房とわが子の変化に驚いたことを覚えています。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.