特別寄稿
桶谷そとみ氏と私たちの思い出―桶谷式と開業助産師
武田 一子
1
1武田助産院母乳外来
pp.539-541
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100760
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開業助産師の一縷の望み
出張分娩で助産婦として地域に根付いていた母とともに,私が入院施設を持つ助産所を開設したのは,昭和32年25歳のときです。母の信用のおかげで助産所経営は順調な滑り出しでした。
しかし昭和40年過ぎ頃より変化が生じ始めました。急速な医療の進歩とともに,分娩が家庭から病院へと移行し,そして助産婦自身の高齢化と後継者不足から助産所の存続の危機が現実のものとして迫ってきたのです。「このままでは開業助産婦はなくなってしまう。開業助産婦の灯火を消さない道はないものだろうか」。考えた末に,分娩のほかに育児相談,家族計画指導などを柱に相談業務を始めました。予想以上の反響で利用者は激増し,助産所利用者も増加しました。
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