特別寄稿
桶谷そとみ氏と私たちの思い出―桶谷式の科学的解明を願って
福田 良子
1
1アールアンドワイ母乳育児相談室
pp.542-543
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100762
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独自の概念との出会い
昭和52年2月,『助産婦雑誌』編集室の細波さんと,初めて高岡市の桶谷そとみ先生を訪ねました。足の踏み場もないほどお母さんと赤ちゃんであふれている中を,桶谷先生の手技を見学させていただきました。そこはまったく想像もつかない光景でした。ゆったりと安心して身を任せているお母さんと穏やかにリズミカルに手技をされる先生,ふっくらとつきたてのお餅のように軟らかいおっぱい,排乳口からは乳汁があふれ出ています。
先生は手技をしながら「1本1本の排乳口から出る乳汁は色も味も違う。つぶして飲んでいるからここはホラッ,濁っている。乳頭は丸く飲ませないといけない。赤ちゃんがどんなふうに飲んでいるのか,ちゃんと観察して飲ませるように,ただくわえさせてちゃいけない」と,正しく飲ませる方法を細かく指導されていました。
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